子育てにかかる金額はどのくらい？児童手当や世帯年収別の所得制限も解説

子育てにかかる主な費用とその内訳

子育てにはさまざまな費用が伴います。主な項目として、養育費、教育費、保育費が挙げられます。以下に、それぞれの費用について詳しく説明します。

まず、養育費とは、子どもの衣食住に関わる基本的な生活費を指します。食費、衣類費、医療費などが含まれ、子どもの成長に伴い増加する傾向があります。例えば、0歳児の年間養育費は約50万6,000円とされています。

次に、教育費は、学校教育や習い事にかかる費用です。公立と私立で大きく異なり、特に中学・高校・大学と進学するにつれて負担が増加します。例えば、公立小学校6年間の教育費は約192万円、私立の場合は約959万円とされています。

保育費は、保育園や幼稚園の利用料を指します。共働き家庭では特に重要な費用項目で、認可保育園と認可外保育園で費用が異なります。認可保育園の年間費用は約30万～42万円、認可外保育園では約36万～48万円とされています。

以下に、子どもの成長段階ごとの年間費用の目安を表にまとめました。

共働き家庭と片働き家庭では、収入と支出のバランスが異なります。共働き家庭の平均月収は約69万2,943円で、消費支出は約33万9,799円です。一方、片働き家庭の平均月収は約52万9,445円で、消費支出は約30万4,796円となっています。共働き家庭は収入が多い分、支出もやや増加しますが、貯蓄に回せる余裕が大きいと言えます。

子育てにかかる費用は、家庭の状況や子どもの進路によって大きく変動します。計画的な資金管理と、各種支援制度の活用が重要です。

児童手当とその所得制限について

児童手当は、子育て世帯の経済的負担を軽減し、子どもの健やかな成長を支援するための制度です。2024年10月から、この制度が大幅に拡充され、所得制限の撤廃や支給対象年齢の引き上げなど、子育て家庭にとって嬉しい変更が行われました。

まず、児童手当の支給額と対象年齢について見ていきましょう。これまで中学生までが対象でしたが、改正後は高校生年代（18歳に達する日以後の最初の3月31日まで）まで拡大されました。支給額は以下の通りです。

次に、所得制限についてです。これまで、一定の所得以上の世帯には支給額が減額される「所得制限」が設けられていましたが、2024年10月からこの制限が撤廃され、すべての子育て世帯が所得に関係なく児童手当を満額受け取れるようになりました。

共働き家庭における所得制限の適用方法についても変更があります。以前は、夫婦のうち所得が高い方の収入で判定されていましたが、所得制限の撤廃により、共働きかどうかに関わらず、すべての家庭が平等に児童手当を受給できるようになりました。

これらの改正により、子育て家庭の経済的負担が軽減され、より安心して子育てに取り組める環境が整備されました。新たに対象となる方は、お住まいの自治体での申請が必要となる場合がありますので、忘れずに手続きを行いましょう。

教育費支援制度とその活用方法

子育てにおける教育費の負担は、多くの家庭にとって大きな課題です。特に高等教育に進学する際の費用は、家計に大きな影響を及ぼします。そこで、国や自治体が提供する教育費支援制度を活用することが重要です。以下に、主要な支援制度とその活用方法について解説します。

まず、高等学校等就学支援金制度について説明します。この制度は、高校生の授業料負担を軽減するために設けられたもので、所得制限に応じて支給額が決定されます。具体的には、世帯の市町村民税の課税標準額に基づき、以下のように支給額が設定されています。

この制度を利用するためには、在学する学校を通じて申請手続きを行う必要があります。申請時期や必要書類は学校から案内されますので、適切に対応しましょう。

次に、大学授業料無償化制度や奨学金制度について説明します。大学授業料無償化制度は、経済的に厳しい家庭の学生が高等教育を受けられるよう、授業料や入学金の減免を行う制度です。対象となる世帯年収や支援内容は、各大学や自治体によって異なりますので、進学を希望する大学の情報を確認することが重要です。

また、奨学金制度には、返済が不要な給付型と、卒業後に返済が必要な貸与型があります。日本学生支援機構（JASSO）や各自治体、民間団体が提供する奨学金があり、募集時期や条件が異なります。早めに情報収集を行い、適切な制度を選択しましょう。

共働き家庭がこれらの支援制度を活用する際のポイントとして、以下の点が挙げられます。

• 所得制限の確認：共働き家庭では、世帯収入が高くなる傾向があります。各支援制度の所得制限を確認し、自身の世帯が対象となるかを把握しましょう。
• 申請手続きの分担：共働きで忙しい中でも、申請手続きは期限内に行う必要があります。夫婦で役割分担を決め、効率的に進めることが大切です。
• 情報収集の徹底：支援制度は年度ごとに内容が変更されることがあります。最新の情報を入手するために、定期的に関係機関のウェブサイトや学校からの案内を確認しましょう。

教育費支援制度を適切に活用することで、子どもの教育機会を広げ、将来の可能性を高めることができます。各家庭の状況に合わせて、最適な制度を選択し、計画的に準備を進めていきましょう。

保育費の負担軽減策と共働き家庭の対応

共働き家庭にとって、保育費の負担は大きな課題です。ここでは、保育費の負担を軽減するための主な制度や共働き家庭が取るべき対応策について詳しく解説します。

まず、幼児教育・保育の無償化制度について説明します。2019年10月から開始されたこの制度により、3歳から5歳までの全ての子ども、および住民税非課税世帯の0歳から2歳までの子どもを対象に、保育料が無償化されました。ただし、無償化の対象外となる費用も存在します。例えば、通園送迎費、食材料費、行事費などは無償化の対象外です。さらに、年収360万円未満相当世帯の子どもたちと全ての世帯の第3子以降の子どもたちについては、副食（おかず・おやつ等）の費用が免除されます。これらの詳細は、各自治体の公式サイトで確認することが重要です。

次に、自治体ごとの保育料助成制度や所得に応じた保育料の設定について解説します。多くの自治体では、国の無償化制度に加えて独自の補助金や助成金制度を設けています。例えば、東京都足立区では、東京都認証保育所を利用する家庭に対し、児童の年齢や世帯の課税状況、保育の必要性の認定の有無・出生順に応じて保育料を軽減し、最大で月額67,000円の補助を行っています。また、千葉県松戸市では、私立幼稚園の預かり保育料に対し、国の無償化制度で賄いきれない部分を月額最大30,000円まで助成しています。これらの制度は自治体によって内容が異なるため、お住まいの自治体の公式サイトや窓口で最新の情報を確認することが重要です。

共働き家庭が保育費負担を軽減するための具体的な方法や工夫について紹介します。まず、自治体独自の補助制度を活用することが効果的です。多くの自治体では、国の支援に加えて独自の保育料補助や多子世帯向けの割引制度を設けています。例えば、東京都足立区では、東京都認証保育所を利用する家庭に対し、児童の年齢や世帯の課税状況、保育の必要性の認定の有無・出生順に応じて保育料を軽減し、最大で月額67,000円の補助を行っています。また、千葉県松戸市では、私立幼稚園の預かり保育料に対し、国の無償化制度で賄いきれない部分を月額最大30,000円まで助成しています。これらの制度は自治体によって内容が異なるため、お住まいの自治体の公式サイトや窓口で最新の情報を確認することが重要です。

さらに、企業主導型保育園の活用も一つの方法です。企業主導型保育園は、国からの助成を受けて企業が従業員のために運営する保育施設で、地域の子どもも受け入れています。認可保育所と同等の助成を受けているため、保育料が比較的低く設定されています。例えば、0歳児の利用者負担相当額は月額37,100円、1～2歳児は月額37,000円、3歳児は月額26,600円、4歳以上は月額23,100円とされています。ただし、園によっては追加料金が発生する場合もあるため、事前に確認が必要です。

以下に、保育費負担軽減策の主な例を表にまとめました。

共働き家庭がこれらの制度を活用する際には、以下の点に注意が必要です。まず、各制度の申請期限や必要書類を事前に確認し、漏れなく準備することが重要です。また、自治体や保育施設によっては、所得制限や利用条件が異なる場合があるため、詳細を確認することが求められます。さらに、保育施設の空き状況や待機児童の有無も考慮し、早めに情報収集と手続きを行うことが望ましいです。

保育費の負担軽減策を上手に活用することで、共働き家庭の経済的負担を大きく軽減することが可能です。各家庭の状況に合わせて、最適な制度を選択し、計画的に活用していきましょう。

まとめ

子育てには養育費や教育費、保育費など多くのお金が必要ですが、公的な支援や各種制度を活用することで、家計の負担を大きく減らすことが可能です。児童手当や教育費無償化制度、保育料助成などは、家庭の所得や共働きかどうかで受けられる内容が異なります。情報を正しく把握し、自分たちが利用できる支援を賢く選び活用することが、子育てにかかる不安を軽減するうえで不可欠です。将来を見据えた計画的な資金管理が、安心した子育て生活につながります。